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トーク内容書き起こし(DAIICHI平野店)

概要

日 時 2014年1月11日(土) 15:00~15:30
会 場 DAIICHI平野店(大阪市平野区)
内 容
  1. フリートーク
  2. 台詞実演

内容

フリートーク

神谷さんご登場

皆さんこんにちは、神谷明でございます~。
今日も土曜日で、行くところも…いっぱいあると思うんですが、ねぇ、わざわざ足を運んでいただいて…嬉しいものですね。

――さっき(DAIICHI本店でのイベント)も私お話したんですけれども、私がもう間もなく神谷明さん登場です!と言っていても、全然人が集まらないんです。でも、登場されるだけでこんなにたくさん。

ありがたいですねえ。まぁ、実際に、僕もパチンコとかスロットとかやりますから、ちょっと(当たりが)出てると、手を放しづらいっていうのもありますよね。

――ああ、そうですねえ~。

で、今ね、呼ばれて、すぐステージかな?と思ったら、結構歩きました(笑)そのあいだ逆に、つなぐのが大変だな、と思って。

――黙ってましたけどね(笑)

トークについて

――いつも、タレントさんとも一緒にお仕事させていただいてるんですが、あんまりお話してくださらないんですよ、実は。

こういうお店に行きますと、色紙が飾ってあるじゃないですか。デヴィ夫人とか。叶姉妹とか。松方弘樹さんとか。凄い方がいらっしゃっているなと思うんですけれどね。
でも意外と役者さんは、普段はあまり喋らないですよね。

――でも(神谷さんは)沢山お話してくださるのでね。わたし嬉しいです。

まぁ、ラジオとかやってたんで…。やっぱり最初は難しくて、できないな~と思ったんですけれど、段々好きになりまして。で、喋ることがなくなるということも、あまりなくなって。大丈夫になりました。

声の仕事のレッスンについて

――私はですね、MCや司会のお仕事(を始めるにあたって)、アナウンサーの方からレッスンをみっちりと受けまして…

MCの、HOW TO…つまりやり方っていうのも、あるんですね?

――色々あります。みっちりレッスンを受けまして、マイクの持ち方まで、言われました。こうやって持っちゃいけないとか、色々ありまして…。

そういう意味では、例えば僕たちも、後輩に教えるときに、マイク…こういうマイク(ダイナミックマイク)じゃなくて、コンデンサーマイクって四角いマイクなんですけども、棒があってマイクが立っていて、台本を一冊持って、ちょうどいいこの距離で、喋ってるんです。
マイクの前は、指向性がとても狭いのと、マイク近くで喋っても、大丈夫なんですね。

それから台本の持ち方。普通は、右利きの方は、左手に持って、こう(右手で)めくるんですよ。
でも、ベテランになると、こういう風に、ここ(左手の親指で)扱うだけで、パラッと。そして、音もしない。
これはね、本当に、お見せしたいです。これは特殊な技術。

でも、今みたいに、季節が乾燥していますと、どうしてもパラッて音がするじゃないですか。
そうしたらね、綴じ目のところに、湯呑みを持っていって、ちょっと垂らして、つーっと、水を、含ませて、

――音がしないように。

それもね、先輩が(教えてくださったことなんです)。
あともっと派手な先輩は、口に含んで、プッ!ってやって(笑)こう、湿らせて(やるんですよ)。
こういういわゆる現場のワザってやつは、見て、最初はおもしろくて。こんなことやるんだ!って。
それが一つ一つ経験になって、覚えていくんですよね。

声優になったきっかけ

――私は司会者のお姉さんを見て、私もああいう風になりたいな、私も立ちたいなと思ったのがきっかけで、それでアナウンサーの方に、MCアカデミーというところで教えてもらった、のがきっかけなんですけれども、神谷さんはどうして声優さんになられたんですか?

元々僕、高校の時から、演劇をやっていまして。

――演劇。

そうです。でも、普通の商業高校で、まあ片親だったもんですから、働くのが当たり前で、働きまして。
そうしたら、半年くらいしたら、芝居も惜しいなぁと疼きはじめまして。東京の会社だったんですが、それを止めて、横浜で、アマチュアの劇団に入って、そこの活動に支障がない会社を選んで、働きながらお芝居をやっていたんですね。で、大体二年半くらい。
びっくりしたのは、その高校演劇と、アマチュア演劇って、やっぱり…床と天井くらい違う。

――違うんですか。

凄いレベルなんですよ。でも面白くて、やっているうちに…。
いや、入るときに約束したの。プロの、腰掛けにはしないって。でもプロに、なるつもりなんか全然ないから…

――全然なかった。

うん。でもそんなことありませんよって。言って二年半たったら、プロでやりたくなって、どうしようかなぁ…逃げちゃおうかなあ…って思ったんですが、やっぱり、とても信頼をしていただいていたので、正直に、お話申し上げて。
そしたら「神谷、おまえは、おまえの気持ちはわかるけど、おまえは背が低いし、舞台に出ても目立たないから、無理だからやめろ」と。言われたんです。
ところが、僕は自分の都合よく人の意見を聞く方なので、そうか、神谷はそういうハンデを持っているけど、頑張れって言ってくれてるんだなって。怖いでしょう(笑)
僕、当時の自分が、今の自分に、同じことを言っていたら、泣いて止めます! そのくらい、危うい、それだけじゃなくて、そんなに上手くなかったんですよ。

でね。それをお話して、きちっとやめて、劇団に入りました。東京の、劇団テアトルエコーというところに入ったんですね。当時、そのエコーというのは凄い劇団で。
いわゆる小劇団という小さな劇団だったんですが、座付に、井上ひさしさん、当時、ひょっこりひょうたん島という番組の放送作家であった先生が、台本を書いていらっしゃって。当時何も知らなくて入って、入ってから凄いところに入ったんだな、と思って!
で、ここで頑張ろうと思って、やってましたら、たまたまオーディションがありまして、それがアニメーションだったんですね。で、受かりそうになって、事務所がびっくりして、経験を積ませなきゃいけない、っていうので、何本か、やらせていただいて、そのときに、そのオーディションは実は、駄目だったんですけれども、できそうだっていうんで仕事をいただいて。

そしてここまで来たんですが、それにも理由があって。その劇団テアトル・エコー、なんと、声優として、華々しい活躍をしていた先輩がいっぱいいたんです。ルパン三世。山田康雄さん。それから…銭形のとっつぁん。納谷悟朗さん。それから…海賊トラヒゲの、熊倉一雄さん。あと、サリーちゃん(平井道子さん)、アッコちゃん(太田淑子さん)、ハイジ(杉山佳寿子さん)!…まだまだいたんです。
そういう先輩が、そのー芝居だけでは、生活ができなかったので、生活の糧を得るために、アルバイト感覚でお仕事をやっていた。それも全然知らなかったんですよ。その先輩が敷いてくれたレールの上に(乗ってここまで来れたんです)。ただ普通に、お芝居をやっていたら、今はなかったかもしれない。

――よかったんですね。

よかったんですよ。だからその、選ぶところを、一歩間違えたら、今はないんですね。だから人生って、不思議だなあって思いますね。

北斗の拳でのウラ話

――パチンコの遊戯台で、随分前から不動の人気の北斗の拳! すごいですねぇ~。

すごいですねぇ~。もう、北斗の拳が、連載されて、去年で丸30年。

――そんなに経つんですか!? えっ、知らなかった!

なのに!この人気。ありがたいですね~。

――すごいですよねえ~。

まああの、(人気の)一つは、武論尊さんと、原哲夫さんの作り上げた、北斗の世界というのが、素晴らしかったんだと思いますけれどね。

――ケンシロウさんの、面白話、ないですか?

ケンシロウって、色んな掛け声を出しているんですけれども、最初は、台本見て、「アタ」って書いてあって。それまで、「エイ」とか「ヤア」とかで、「アタ」はないでしょう?(笑)
だから、最初は「アタァ!」ってやるのかなと思って、どうもピンとこなくて、で、ブルース・リーのような、カッコいいこういう動きをしていたもんですから、それをヒントに。
で、ケンシロウは力強いですから、「ァチャァ!!」ってやったら、まず原型ができて。

ただ、アタァだけだと、少ないじゃないですか。で、じゃあ他にないかな、というと、「アトゥ」と書いてあるんですよ。でも、カタカナで、「ア・トゥ」と書いてても、力が入らない。亜細亜の亜に、倒すと書いて、「亜ッ倒!!」ってやると、おお、なかなか力が出る。

――あっ、違う。

で、それから自分で考えて、破るという字に、下駄の駄を書いて、「破駄ァ!!」とか。
で、そのうちに、「オ・ア・タ」って書いてあったんです。でね。僕は於いてという字に亜細亜の亜に、人偏にタって書いて、「於・亜・侈」。「於亜侈ァア!!!」ってやったんです。

最初は「オ・ア・タ」でやってたんです。でもそのうちに、掛け声をいっぱい出していると疲れるじゃないですか。テストから何べんもやっているわけですよ。もうね、くたくたになって。
でね、一番最後の戦いで、その回の一番悪い人をやっつけるときに、さあ今日も、これで仕事終わりだな、っていうんで、「ォオ~ワッタァァア!!!」ってやったんです(笑)これ、ホントの話で!

でね、この話を、講演会で。高校か大学でお話したんですよ。そのときに、トリビアやってたんで、「みんな、投稿していいよ~」って言ったら本当に投稿する人がいて!
よくよくは、「神谷さん、こんなこと言ってますか?」って。「は、はい…」って言ったら、取材に来てくれて。で、それがあの…公になって。
本当にくたくたになったんです。だからもう万感を込めて、「ホォオ~ゥォワッチャァア!!!」ってやってた、っていうお話です。

――えっ、それで「オ・ア・タ」がそう変わって……

最初は「オ・ア・タ」で、で、やっているうちに、段々似てるな~とは思ってたんです。でも、あえてそうは言ってなかったんですけれども、途中から、その回の一番最後は、「終わった」にしようって。やりました(笑)

――でもご自分で考えているんですよね

そうですね。あのーやられ声も、色々あるんですけれども、これは三大やられ声っていうのがあって、「あべし」「たわば」「ひでぶ」。で、もう(レパートリーが)なくなっちゃうんですよ。そうすると、僕らの仲間の、千葉繁という人が、皆集めて「さあ、今日はどうやって死のうかな?」なんて会議をやってたんです。だから僕も、やっつける方も、色々考える。

――(お客さんが)滅茶苦茶笑ってますよ(笑)

ああいう…どちらかというと、殺伐した、PTAから随分怒られた…僕らもやっぱりやってるときはそういう風に思ったんですけれども、そういう作品だからこそ、楽しくやらなきゃいけないなということで、現場では、結構みんな楽しくやりました。

――楽しんでやっていらっしゃいますよね。

多分そういうのは、作品を観ていらっしゃる方にも、伝わったんじゃないかなと思います。

台詞実演

リクエストによる実演

――せっかくね、声優さんにお会いできること、そして生でこんなお話が…ということってないと思うんですね。本当に貴重なので、是非、あの、皆さんにですね、北斗の拳、シティーハンター、キン肉マン…など。

色々な声を…今挙がった三つだけじゃなくて、(色々)やってますんで。じゃあその声の、キャラクターのリクエストをいただいて、たとえば、これを言って欲しいというのがあれば、それにも応えますし、じゃあもうオーダーメイドで!ひとつ。ああ、もう手が挙がりました。やってみようかと思います。

「シティーハンターの、田中秀幸さんの槇村が倒れるときのあの…倒れる瞬間に、香に伝えることはっていうときの、『地獄で寂しいだろうが、待ってろよ』っていう…」

「槇村…。寂しいだろうが……地獄で待ってろよ」

ありがとうございます。沢山の良い台詞を、言わせてもらってるんですけれども、実は、結構覚えてないんですよ。ただ、言われると、思い出します。ちゃんと。良いシーンでした。ありがとうございます~。

「究極超人あ~るの鳥坂先輩をお願いします!」

「それは私にむぁ~っかせて!!」

……ねえ!いやあ、随分コアな!でも、良い役でしたよ~。そしてあのー…あ~るが、塩沢兼人さんで。で、彼は、本当に普段は!普段はおもしろい。だけど、役はさ、シブ~い役ばかりやっていたでしょ?

でも、この役を僕一緒にやって、こんな役もできるんだ!っていうんで、実は彼と一緒にお芝居をやりました。
で、その原作者。横内謙介さんっていうんですけど、日本を代表する、劇作家だったんですけど、で、ツトムという役だったんですね。
そしたら、実は、六角精児さんって知ってる?相棒に出てる眼鏡かけた鑑識のおじちゃん。彼に、当てて書いて、だからその人しかイメージになかったんだけど、横内さんが「ああ、ツトムが二人いた」って。

…素っ晴らしい、俳優さんであり、声優さんで。僕はね~…今でも兼人に会いたいですね…。大好きだったから。
いやあ、好きですか!あ~る!僕も大好きです。今あのー、twitterでゆうきまさみさんとつながってるんですけど、色々とつぶやきあったりしてます。どうもありがとうございます~。

「ウラシマンの、クロードをお願いします」

あのー…あ~るの鳥坂先輩に、ウラシマンのクロード。嬉しい、誰も知らないかも(笑)ウラシマンね、今東京では再放送やってるんです。

「おい、ダンナぁ!そんなドングリみたいな頭しちゃってさあ!えぇ!?この稲妻クロードに勝てると思ってんのか?」

……という感じでしたね(笑)ちょっと獠ちゃんみたいな感じでね~。ありがとうございます。
ウラシマンも好きでした。で、ウラシマンでルードビッヒ、って役を塩沢兼人さんがやっていてね…。ありがとうございます~。

「キン肉マンの、牛丼の、決め台詞を!」

え~、ではまずは、あのーキン肉マン登場しまして。それから皆さんにお手拍子をお願いしたいと(思います)。いきますよ。ワン、ツー!

「ステージの前の諸君、元気してたかな~。では、みなさんひとつ拍手をお願いします。はいヨイショ!ヨイショ!ヨイショ、ヨイショ、ヨイショ、ヨイショ、牛丼ひ~とすじ300年♪早いのうまいのやっすいの~♪……屁のつっぱりは、いらんですよ!!」

――すご~い!!

いま確かチンデン(阪堺電車のキン肉マン電車)が走ってるじゃないですか。
あとは僕、新世界のマッスルショップ行って、結構グッズをね、大人買いしました(笑)去年ね、呼んでいただけて、イベントやったんですけども、楽しかったですよ。はい、ありがとうございます~。

声量について

――ありがとうございます~。本当にね、生の声を私も聞かせていただいて、感動ですね…。近くでお聞きしてると、すごく良く分かるのが……声量が全然違いますよね!

そうですね、あのー声優さんって、声が小さくてもいいのかな~って思う人がいるんですけれども、実は舞台と同じくらいのボリュームで、マイクの前で喋ってるんですよね。だから…声優志望の人には、まず大きな声で、喋れるようになってくださいって、いつもお願いしています。

――そうですね、先生でもいらっしゃいますもんね~。

そうですね、はい。

――あの、腹式(呼吸)とか、やっぱりあるんですか?

あのね、僕そういう理屈…よりも、なにしろ大きい声を出せば。ただ大きい声を出して、喉に負担がかからないように、あごを引いて、喉を大きく開けて、おしゃべりしなさいっていう…。あんまり、理論でいっちゃうと、頭が混乱しちゃうんですよね。

それより、無理なく、大きな声を出してもらう。だから僕なんかは、発声練習もやるんだけど、歌を歌わせる。大きい声で。そうすると、すっごい大きい声が出る(んです)。

――そうなんですね。私も勉強になります。ありがとうございました~。

(文責:48)