2013年7月23日 coffee&nishino@下北沢TiSSUE
概要
「観客は偶然喫茶店に居合わせたお客さんで、チョップリン西野さんとゲストの会話を盗み聞き&盗み見する」というコンセプトのトークライブ。
…だったはずが、最初は遠慮がちだった観客も皆すっかり聞き入ってしまい、一方で神谷さんも観客に「ねぇ!」とか「皆さんも~」とかフリーダムに同意を求めたりするものだから、最終的にはお二人を取り囲んだトークショー状態に(笑)
20人程度のキャパの喫茶店ということもあり、他では中々味わえなさそうな、近すぎる距離感と、ファンサービス満載なトーク内容。大変楽しく、貴重なひとときになりました!
トーク内容
嗜好品について (参照:「神谷明の声優ワンダーランド」p.42)
昔はコップ一杯のビールも飲めなかった。今も積極的に飲む方ではない。
お酒は、というか炭酸系は喉に良くないというが、気にしていたら何も飲めない!
家族は煙草を吸っているが、その反動からか、全く吸わない。
喉に良くないという反面、ヘビースモーカーも多い業種である。
声優ブームについて
昔は、野沢那智さんのような吹替声優さんの人気が高かった。
自分の場合、バビル2世の頃から声優ブームに乗ったという感覚がある。
自分の声について
自分で「良い声だ」とは特に思っていなかった。
学生のとき、声の良さを買われて演劇部に誘われたのが、声を評価された初めての経験だった。
オーディション秘話
オーディション前には、原作を読んでいないことが多い。
キン肉マンのときは漫画も知らなかったし、キャラクター表にも目を通していなかった。キャラの外見を知っていたら、あの三枚目の声は出なかったかもしれない。オーディションの時には、「王子でも八王子でもない!」という台詞を演じたように覚えている。
北斗の拳のときは、「北斗の剣」のことだと、てっきり千葉周作(参照:司馬遼太郎「北斗の人」)を描いた作品だと勘違いしてオーディションに来たら、「拳」だと知って驚いた。
DD北斗について
リュウケンが秘孔を突かれてロボットになるところ(第22話「その時は来た! ケンシロウvsラオウ しびれる決戦!」)は、ありきたりの無機質なロボットの演技にはしたくなかった。悩んだ結果、千円ショップで聞いたアナウンスを参考に、語尾のイントネーションを工夫することでロボットを表現した。
アフレコ時に大ウケしたのがよかった。自分にとっては、スタッフさんのああいう反応が一番のご褒美でもある。
先輩について
先輩の演技は宝の山である。ロードス島戦記で悪役(アシュレイ)を演じたときも、先輩の演技を取り入れて、あの喋り方にした。また、悪役ながらも、人間らしさを入れるように工夫した。
キャラに入り込む瞬間について
家からずっととか、ブースに入ったときから、とかではない。実際に収録に入る瞬間が、キャラに入り込む瞬間である。
北斗の拳でラオウを演じられた内海賢二さんは、普段はとても賑やかで、近づいてくるだけでわかる、歩くエレクトリカルパレードみたいな人だった。
本番前は楽しい雰囲気だから、本番での入り込み具合を知らない新人は呑まれてNGを出すほど。ただ、指も触れられないようなオーラを出すという感じではなかった。 (参照:「声優ハートフルトーク21」pp.141-142)
ただ、レイという役をやっていた塩沢兼人君が、まさしく役に入り込むタイプの人だった。
ケンシロウが飛び上がるときの「ヒョーォッ」という声はアドリブで、画を観てこんな感じだろうと声をあてたが、レイの「ヒョーゥ、シャオーッ!」もアドリブ。彼が(南斗水鳥拳の)あの動きをあのように表現したのには、「そうくるか…!」と驚いた。
お笑いについて
仲が良いのは、麒麟の田村君や小林賢太郎君(ラーメンズ)など。
80歳の面堂終太郎ネタをやってみたい。80歳になった面堂が過去を振り返る話。ルミちゃん(高橋留美子先生)にお伺いを立てないといけないけど、「面堂は若いんです!」って言われるだろうな(笑)
NGについて
最近はデジタルになったので、収録されていることもあるが、昔はなかった。あったとしたら、後でそれ用に収録されたものだろう。
特に印象的だったのは、千葉繁さん。「女子は全員気絶している」という台詞を途中でド忘れして、「女子は全員…見てのとおりだ!」というアドリブを放った。実に面白かったが、スタジオ中が爆笑してしまったため、結局録り直しになった。(参照:「神谷明の声優ワンダーランド」p.48。「声優ハートフル トーク21」p.194)
咳やクシャミなどの生理的なものについては、暗黙の了解でOKになっている。ミキサーさんに合図して、シーンを区切れるようなら区切ってもらう。どうしてもダメなようなら端っこでしたりもするが、必ずマイクに入ってしまっている。(参照:「神谷明の声優ワンダーランド」p.46)
年齢による声の変化について
勇者ライディーンのパチスロのとき(註:2010年)は、流石にもう15歳はやれないと言ったが、どうしてもということで引き受けた。今でもあの声が出せないことはないが、必死にやってあの声だった当時と、あの声に合わせて演技する今とでは意味合いが違う。引き継いでくれる、良い人がいるなら任せたい。
シティーハンターもそろそろ30周年で、何かしらオファーがあるかもしれないが、そろそろリョウも限界かな?と思っている。
毛利小五郎について
設定上は38歳だが、38歳といえば普通はもっと若い声である。ただ、どこにでもいるような、普通のおっちゃんを目指した結果、あのような声になった。
娘が作品の大ファンで、役が決まったときは喜んでくれた。一話の放送の後に感想を聞いたら「よかったよ」ということだったので、とりあえず取っ掛かりはできたんだな、と安心したのを覚えている。
実に難しい役で、14年間試行錯誤を繰り返してきたが、答えは出なかった。たとえ現在まで続いていて、18年やったとしても答えは出なかっただろう。役者というのは、本当に奥が深いと思う。
告知
10月5日 代々木にて、歌やトーク、ちょっとしたネタをやる予定
10月13日 吉祥寺アニメワンダーランドにて、チャリティーオークションをやる予定
終わりに
新世界100周年記念のキン肉マンタペストリーに皆の目の前で生サイン。宛名と、「へのつっぱりはいらんですよ!」を書いて西野さんにお渡しした。その後、見送られて退場。
60分の予定だったようですが、ご厚意で少し伸ばして頂いて、全部で70分程度。ブログ等でお察しするに、体調があまりよろしくない中での出演だったと思いますが、キャラの実演や赤裸々なトーク内容等、ファンサービスも多く、ファンとしては嬉しすぎる一夜でございました!
(文責:48)